インターネットやスマホが登場して、手書きの手帳は絶滅の一途かと思われていたはずが、絶滅するどころか、盛り上がってきてる気配すら。ビジネスマンのスケジュール管理だけじゃない、いろんなスタイルで「手帳」を楽しむ人が増えてきて、往年の手帳ファンきのこも、そのブームの恩恵にあずかるひとりです。
わたしの手帳は主に、自分のしたことの記録を残すためのノート。
ライフログ、と呼ばれたりもするこのスタイルは、詳細な日記のようなもの。
睡眠時間や体温、こなした家事、食べたもの、行った場所、今日印象に残ったこと、買ったもの、読んだ本、見た映画、気に入ったお店、その日の作業量、勉強した時間……日々の記録。自分の1日って何にもなかったと思っても、書き出してみると思ってるよりもずっといろんなことがあって、書き始めると、書き残すことを意識して、出来事が記憶に引っかかってくるようになる。
マメじゃなくても意外と大丈夫なものです。
なぜなら、わたしはちっともマメじゃないけど、続いてるから。
やり方があなたにハマるかどうかの勝負です。最初からうまくいくことはないから、少しずつ自分が好きなスタイルを探していくのを楽しむ感じで始めると長く続くかもしれない。文字メインでたくさん書き連ねるスタイル、シールやスタンプを駆使して作って楽しい見て楽しいスタイル、記号やカラーペンで整然と情報を残すスタイルなどなど。それぞれのスタイルをどんどん試して、自分に合うものだけを取り入れていくと、どんどん書くことに抵抗がなくなって、軽い気持ちで書けるようになるはず。
かくいうわたしも、さぁ、可愛く色分けして楽しむぞ、とカラーペンをどっさり買い込んではみたものの、自分の字の下手クソさに、色分けが覚えられないポンコツさも相まってめんどくさくなった結果、使われないカラーペンの死蔵品を激増させたり、かわいい色!とインクパッドをまとめ買いして、いざ使ってみたら自分の手帳との相性が最悪で、どんなに工夫しても全部裏ヌケしちゃってお蔵入りさせたり、まぁ失敗も色々あったけど、それもまた楽しい。
後から見ると、ぁぁ、この頃はこういうことがしたかったんだな、と甘酸っぱく思い出したりするわけです。
さて、では、今現在、わたしがどんなスタイルで手帳というか日記というかライフログを記しているかというと、昨年まで使っていたほぼ日カズンから、今年は方眼ノートに変更して、シールとかスタンプとかペンとかを使って、書いています。つまりは、まさにいろんなスタイルをミックスした状態。
ほぼ日手帳からノートに変更した理由は、日によって書く量にムラがあるから。
日付が入ってる手帳類は、書かないうちにどんどんページが進んで、白いページが増えていくのが心理的に負担で、面白くなくなっちゃうから。それなら、書く日は書いて、書かない日は書かなくても気にならないスタイルが正解。使うアイテムも、これ、と決めずに、好きなものを使えばいいやって軽い気持ちでやってます。
以前は、しばらく盛り上がって書いては、飽きてしばらく放置する、みたいなことを繰り返したけど、近頃は、InstagramとかTwitterでとても真似できそうもないのに真似したくなる気持ちを抑えきれない、素晴らしく作り込まれた、手帳やノートのポストを見て、わぁ……ステキぃ……へぇ、こんなふうにやればいいのかぁ……今日やってみよう……て感じで、なかなか飽きるターンに入らなくなりました。
この人の手帳みたいなことしたいなぁ、っていう人が見つかったら、それはいい近道。まさにInstagramとかTwitterなんていうのは、近道の宝庫です。
ライフログノートを取材していただきました。
2022年6月発売の『暮らしの図鑑紙もの』に掲載していただきました。
本全体がとてもかわいくて、眺めるだけでも毎回ワクっとします。誰もが知る、紙ものの神様から、こんな楽しそうなことしてる人がいるんだー、まで。
紙ものに少し興味があるかも、な人から、ウン十年、紙と一緒に人生歩んでます、って人まで、みんなが楽しめる本です。